介護職員の処遇改善につきましては、平成29年度の臨時改定における介護職員処遇改善加算の拡充も含め、これまで数次にわたる取り組みが行われて参りましたが、「新しい経済政策パッケージ(平成29年12月8日閣議決定)」において、「介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める。」とされ、令和元年10月の消費税引き上げに伴う介護報酬改定において対応することとされました。
この事を受けて、令和元年度の介護報酬改定において、「介護職員等特定処遇改善加算」が創設されたところです。

当該加算を受けるためには、下記の要件を満たしている必要があります。

  • A.現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)を取得していること。
  • B.介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること。
  • C.介護職員処遇改善加算に基づく取組について、ホームページの掲載等を通じた「見える化」を行っていること。

という3つの要件を満たしている必要があります。

Cの「見える化」要件とは、①令和2年度からの算定要件で、②介護サービス情報公開制度や自社のホームページを活用して、新加算の取得状況、賃金改善以外の処遇改善に関する具体的取組内容を公表しているところです。

以上の要件に基づき、当法人における処遇改善に関する具体的取組(賃金改善以外)につきまして、以下のとおり公表します。

①入職促進に向けた取組

●法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
●他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築→幅広い年齢層、未経験者の採用も積極的に行なっている

②資質の向上やキャリアアップに向けた支援

●働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等→資格取得支援制度を導入し、受講料や研修費等の補助、勤務シフトの考慮等を行うことにより、職員が研修や講習を受けやすい環境を整えている
●研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動→研修を受けやすくするため、動画により研修も行なっている。年に2回人事考課を行なっている

③両立支援・多様な働き方の推進

●職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備→可能な限り希望に応じてシフト作成、当法人と本人が互いに望めば正規職員への転換も行なっている
●有給休暇が取得しやすい環境の整備→有給制度の見直し(今年度分から期限が来る→前年度から期限がくるよう変更)

④腰痛を含む心身の健康管理

●雇用管理改善のための管理者に対する研修等の実施→本部との連絡体制を整備し、管理者からの相談、支援体制を整えている
●事故・トラブルの対応マニュアル等の作成等の体制の整備→緊急時のマニュアルを整備している

⑤生産性向上のための業務改善の取組

●5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備→日常業務に位置づけ、毎日行なっている
●業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減→各業務のマニュアル整備、引き継ぎ事項を定め情報共有を行なっている

⑥やりがい・働きがいの醸成

●ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善→毎日朝礼を行い各職員の業務状況を把握している。また業務や支援を連動的・効率的に行えるように業務前に引き継ぎの時間を設定している
●利用者本位の支援方針など障害福祉や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供→毎月各事業所の管理職が集まり会議を行なっている。その他にも毎月管理者会議・サビ管会議・各種委員会を開催し運営・支援について定期的に深めていく機会をつくっている